NPO・NGOの男性差別

 日本ユニセフ協会などの福祉活動・社会活動をしている団体の広報を見ていると、女性・子供(特に女の子)の写真や、女性への支援への要請が目立つ。
 そうした方が同情を集めやすく、寄付に繋がることは容易に想像がつく。だが男性・男の子は援助の優先順位が低いというメッセージを発することにも繋がる性差別的な行為だ。
 例えば災害で被災するのに男女差はない筈だし、貧困に苦しむ男女数にそこまでの差があるとも思えない。男尊女卑がある地域もあるだろうが、それも一部であって全体ではないだろうし、それが女の子と男の子にまで適用されているとも考えにくい。

 どの団体がどれくらい性別の偏った広報を行っているのか、各団体のツイートで調べた。
 2022年1月1日~12月31日に「女性」「男性」「女の子」「男の子」の単語が出るツイートがいくつあるかを調べた。
 期間を設定した検索は「検索語句 from:ユーザーID since:2022-01-01 until:2022-12-31」で行える。
 「女性」と「女の子」を合算して、その割合を「女比」とした。

  女性 男性 女の子 男の子 女比
ヒューマンライツ・ナウ 37 0 0 0 1
国連UNHCR協会 30 1 8 0 0.97
日本ユニセフ協会 10 0 7 1 0.94
フリー・ザ・チルドレン・ジャパン 8 0 4 1 0.92
赤十字国際委員会 8 0 0 1 0.89
国境なき医師団日本 17 3 0 0 0.85
AAR Japan 難民を助ける会 29 7 2 0 0.82
国連WFP 48 11 9 3 0.8
日本財団 7 4 5 1 0.71
グリーンピース・ジャパン 8 4 1 0 0.69
日本赤十字社 0 0 0 0 0

 日本赤十字社を除いてすべての団体で女性重視・男性軽視という結果になった。これは個別の団体の問題ではなく、今の社会全体の問題だということだ。

 現実にある男女格差を埋めることは大事だ。しかし必要性を超えて女性ばかりを「弱者・救済すべき存在」として扱うことは、「女性=弱者」というステレオタイプを固定化し、むしろ男女格差を保持し続ける。女性のためを思ってやっていることが逆効果になるのである。

 また男性と男の子は平等に救済されていないのではないか? という懸念も生まれる。平等な救済を目的とした団体でこのような疑いを持たれる広報は問題である。

#弱者男性